アリ溝加工とは|安定した直進性と位置精度を実現するポイントを解説

公開日:2025年8月29日

更新日:2025年9月3日

アリ溝加工は、部品同士を高精度かつ強固に結合するための加工技術です。
鬨一精機では、最大4,000mmクラスの大型ワークにも対応できる設備とノウハウを活かし、±0.01mmの高精度加工を実現。さらに、複雑形状や難削材といった高難度の加工にも柔軟に対応しています。
本記事では、アリ溝加工の基礎から、当社の技術的特長・加工事例までをご紹介します。

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アリ溝加工とは?──部品同士を確実に結合するための高精度加工技術

アリ溝加工の概要

アリ溝加工とは、金属などの材料に「アリの腰」のような台形状の溝(=アリ溝)を加工する技術です。この溝と、対応する形状の突起(アリ型)を組み合わせることで、部品同士ががっちりと噛み合い、高い強度と位置精度で結合することが可能になります。
接着剤やボルトを使わずに構造的な固定ができるため、ズレや抜けを防ぎながら、再分解・再組立も容易に行えるのが大きな特長です。

主な用途と活用例

アリ溝は、以下のような分野で広く活用されています:

  • 産業機械のスライド部・ガイドレール:滑らかで安定した直線動作を支える構造部として。
  • 治具や金型部品:部品の正確な位置決めや固定に。
  • 航空機やロボット部品:軽量化と高強度を両立する構造部材として。

特に「動き」と「位置精度」が求められる機構には、アリ溝構造が重宝されています。

一般的な加工方法とその特徴

アリ溝は主にフライス加工マシニング加工により製作されます。構造的に切削量が多くなることや、高精度が求められることから、対応するには高剛性な設備熟練した加工技術が不可欠です。
そのため、対応できる加工業者は限られており、特に大型部品でのアリ溝加工は高い技術力を要求されます。

アリ溝加工と工作機械テーブルの関係

アリ溝は、工作機械のテーブル(スライド部)において重要な役割を担っています。アリ溝構造により、テーブルやステージが高い直進性を保ちつつ滑らかに可動することが可能になり、加工精度や再現性を支える要素となります。
特に機械ベッドや案内面に加工されるアリ溝は、μm単位の精度管理が求められるため、その加工精度が製品品質に直結します。当社では、長尺部品や大型構造体に対しても±0.01mmの高精度でアリ溝を加工することが可能で、滑らかで剛性の高い直線動作を実現しています。

このように、アリ溝加工は部品結合における精度・強度・再現性を支える重要な技術であり、工作機械や治具など高精度が求められる分野では欠かせない加工手法です。次のセクションでは、当社が得意とするアリ溝加工の具体的な技術や対応内容についてご紹介します。

大型部品にも対応可能な鬨一精機のアリ溝加工技術

大型ワークへのアリ溝加工に対応

当社では、最大4,000mmクラスの大型部品に対してもアリ溝加工を高精度かつ安定的に実施できる体制を整えています。門型五面加工機や大型対応のマシニングセンターを保有しており、工作機械のテーブル部や案内面のような長尺かつ直進性が求められる加工にも対応可能です。
大型ワーク特有の変形やクランプズレといった課題にも、豊富な経験と治具設計ノウハウにより、精度を維持しながら対応しています。

高精度アリ溝加工を支える技術

アリ溝加工を行う際、±0.01mmの精度保証が可能です。この精度を実現するため、以下の技術的取り組みを行っています。

  • 加工中に生じる歪みや反りを防ぐための適切な加工順序とクランプ設計
  • 温度変化による材料の伸縮を最小限に抑えるための恒温環境での加工管理
  • 加工後は3次元測定機を用いた厳密な検査を実施し、寸法精度・直進性を保証

航空機や精密装置のフレーム部品など、μm単位の寸法管理が求められる分野での実績も豊富です。

形状・用途に応じた柔軟な対応

アリ溝といえば直線的な溝形状を想起しがちですが、当社ではより複雑な仕様にも対応可能です。

  • 曲線部や複数面にまたがるアリ溝
  • 深溝・狭幅・浅溝といった特殊形状の加工
  • 角度・溝幅・長さなどの特注寸法にも柔軟に対応

設計段階からご相談いただければ、図面の読み取りから加工方法の提案まで含めた技術サポートも可能です。

対応素材の種類と難加工材への取り組み

対応可能な素材は以下の通りです:

  • アルミニウム
  • 炭素鋼・構造用鋼
  • ステンレス鋼
  • 鋳鉄(FC・FCD)
  • チタン・銅合金などの難削材

難削材に対しては、熱変形や加工硬化を考慮した切削条件の最適化により、高い品質を維持。とくに大型鋳物フレームや高硬度材などでは、他社では加工困難とされる案件にも積極的に取り組んでいます。

一貫体制による対応力

当社のもう一つの特長は、加工から検査・塗装・表面処理までを一貫対応できる体制です。

  • ワンストップで対応することで納期短縮・外注手配の手間削減
  • 試作1点から中ロット品まで、柔軟な対応力
  • 各工程の連携によって、品質の一貫性とトラブルの早期発見を実現

お客様からは「付随する加工もすべて任せられて助かります」との声を多数いただいております。

アリ溝加工の実績紹介

S45C(鉄)アリ溝加工

材質 S45C
サイズ 60X150X700

>>加工事例詳細はこちら

FC250(鋳物)アリ溝加工

材質 FC250
サイズ 100X450X500

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FC200(鋳物)アリ溝加工

材質 FC200
サイズ 150X200X1000
精度 平面度0.01
備考 旋回軸により側面研削も行っています。

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まとめ

アリ溝加工は、強度・精度・位置再現性を兼ね備えた結合構造を実現するために欠かせない加工技術です。特に大型部品や高精度が求められる場面では、設備力と技術力の両方が問われます。
鬨一精機では、最大4,000mmクラスの大型ワークにも対応できる門型五面加工機や、±0.01mmの精度保証を支える検査体制を整えており、他社では対応が難しい案件にも柔軟にお応えしています。さらに、鋳物や難削材などの加工ノウハウも豊富で、設計段階からのご相談にも対応可能です。
アリ溝加工に関するご相談・お見積もりは、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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